IDeaSで営業をしていると、小規模の独立系ホテルで「客室数が少ない」ということは、「レベニューマネジメントシステム(RMS)は必要ない」と考えている経営陣に出会うことがよくあります。
大規模なホテルと同様、小規模なホテルも常にデータを生成しています。特に、ホテルにレストランやスパ、バーなどの付帯収入源がある場合はなおさらです。自動化なしでは、こうした連続した情報全てをまとめ、分析することは難しくなります。
さらに、小規模なホテルにはリソースが少なく、専任のレベニューマネージャーがいないことが多いため、すでに他の責務で手一杯の、多忙な日々を送っているゼネラルマネージャーや、営業・マーケティングディレクター、予約マネージャー、またはレベニューマネジメントチームがレベニュー戦略を兼任することになります。その結果、客室料金が割高、または割安になり、独立系ホテルは競争において不利な立場に置かれることが多くなります。
人間は(あるいはチーム全体だとしても)、意思決定プロセスの中でそれだけの量の情報を処理するのがやっとです。手作業によるレベニューマネージメントの最も大きな課題のひとつは、質の高いデータをタイムリーに収集しながら、それらが価値のある内に使うことができないということです。ホテルのデータは、複数の情報源から提供され、急速に変化するものであり、そして適切な価格決定を行うために不可欠なものです。
私は、規模の大きなホテルよりも、小さなホテルの方がRMSが必要であると考えています。
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小規模な独立系ホテルにとって、レベニューマネジメントシステムが重要だと私が考える、6つの理由をご紹介しましょう:
1. 小規模ホテルでは一部屋一部屋の重みが大きい
客室の価格設定を誤ると、ADRとRevPARのパフォーマンスにより顕著な影響を及ぼします。これが大きなホテルであった場合、料金設定ミスを「埋め合わせる」のは簡単です。端的に言えば、大規模なホテルは売上高の大きさで、多くの失敗を隠すことができるのです。
2. ブランドホテルと競合する小規模独立系ホテル
ブランドホテルは独自のレベニューマネジメントシステムを使用しています。独立系ホテルのコンプセットにブランドホテルが入っている場合、これらのブランドホテルは、独立系ホテルが持っていないであろうデータの「可視性」とテクノロジーツールを持ち、これにより競争上の優位性を毎日発揮することができます。
3. 分析的予測による需要の理解
大小を問わず全てのホテルにとって、現在および今後の需要、そしてどの需要が実際に予約となるのかを認識することは有益なことです。そうすることで、適切な時期に、適切なチャネルを通じて、適切な宿泊客に対し、適切な価格を設定することができます。
4. ビジネスミックスと滞在日数のバランス
客室数が少ないため、ブッキングペースを管理し、複数の到着日や滞在日数の中で最も価値のある需要を受け入れることで、最適な予約を獲得することは、収益を最大化するためにさらに重要になっています。これは、ピーク日を重視し、需要がないときには低料金のビジネスを受け入れ、単に収益を低下させるのとは対照的です。
5. 適切な人員配置
良質な宿泊客体験を効果的に提供できるかどうかは、ホテルの適切な人員配置に影響されます。信頼できる、正確な予測があれば、ホテル側は適切なスタッフレベルを確保することができます。
6. 収益性の高い団体ビジネスの見極め
小規模なホテルでは一般的に、客室数が少ないだけでなく、会議やイベントのスペースも限られていることがよくあります。つまり、適切な条件で、適切な価格で、そして最適な日程に、個人客の置き換えを理解した上で団体を受け入れることが、さらなる収益性を促進し、宿泊の増加に貢献するのです。
ホテルの規模に関係なく、レベニューマネジメントの原則はすべてのホテルに適用されます。しかし小規模なホテルの場合、客室数が少ないためミスが許される余地が少なくなります。
小規模ホテルは、RMSという自動化されたレベニューマネジメントツールによって、大規模ホテルと競い合う環境を整えることができます。RMSは、独立系ホテル経営者が、何が起こると思うかまたは感じるかではなく、何が起きるか知っていること、つまり事実に基づくデータ主導の意思決定をするのに役立ちます。このような知識は、レベニューマネジメント自動化の「アートとサイエンス」、すなわち、ホテル経営者が生み出すアート(技)と、RMSが提供するサイエンス(科学)を取り入れることによってのみ入手することができます。